研究課題
組織工学的に再生した骨に含まれるタンパク質の解析を行なったところ、CBB染色と強酸性タンパク質を染色するStains All染色にて発現を確認したところ、自然発生した骨とは明らかに異なる発現が認められた。本研究の目的である骨シアロタンパクの発現は、ウェスタンブロット法にて再生骨と天然骨の両サンプルに認められた。しかしながら、再生骨に含まれている骨シアロタンパクは、天然骨と比較して分子量が大きいことが明らかになった。また、骨中にある無機成分で最も多量に含まれているハイドロキシアパタイトに対する結合力が、天然骨に含まれている骨シアロタンパクと比較して低下していることが明らかになった。本研究の意義としては、分子量の異なる骨シアロタンパクが再生骨に含まれており、その機能が異なっていることが明らかになったことである。このことは、再生骨が天然骨とは異なった性質であることを示唆している。現在、組織工学的手法を用いて再生した骨は臨床応用されているが、新規治療法であるため長期的な予後は明らかにされていない。今までの組織工学分野の研究は、失われた組織を再生することが主目的で行われ、再生した組織の詳細な解析は今後の課題である。組織工学的手法によって再生した組織は、発生、治癒とは異なる過程でつくられるため、自然発生した組織とは異なった性質を有していると考えられる。一般国民の再生医療に対する期待は大きいと考えられるが、安全かつ信用のある医療を提供するにはその詳細な解析が必須である。本研究は、再生骨の機能や長期予後を解析するために重要な研究である。
すべて 2011 その他
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