研究課題/領域番号 |
22791977
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
辻極 秀次 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (70335628)
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キーワード | 幹細胞 / GFP / 歯髄 / 骨髄 / 再生医学 |
研究概要 |
本研究は、歯の再生に用いる新規細胞供給源を開拓し、幹細胞を用いた歯科再生医療の実現に向けた基礎的研究データを得ることを目的としている。当該年度研究ではGFPトランスジェニックラット歯髄組織から樹立した象牙芽幹細胞株を用いてマイクロアレイによる解析、および遺伝子発現様式の確認を行い、遺伝子発現プロファイルを作製した。 GFPトランスジェニックラット歯髄から樹立した象牙芽幹細胞株をβ-GP含有石灰化誘導培地で誘導し、誘導5日目に細胞を回収、total RNAを抽出した。コントロールとして通常培地で5日間培養した同細胞を用いてマイクロアレイ法により遺伝子発現量変化の解析を行った。その結果、誘導前の細胞と比較して石灰化培地で培養した細胞ではDMP1が240倍、Osteocalcin、Bone sialoprotein2が約20倍、Ameloblastinが約10倍と歯および骨に関連する遺伝子発現量の著しい増加が認められた。 マイクロアレイ法にて発現量の増減が著しかった遺伝子の中でも特に歯組織との関連が深いDMP1およびDSPPに関して、RT-PCR法によって発現の確認を行った。In vitro条件下においてDSPPは石灰化培地による誘導初期では殆ど発現が認められなかったが、細胞誘導2日目から弱いながらも遺伝子発現が確認され、誘導7目で遺伝子発現のピークが認められた。DMP1は石灰化誘導前から若干の発現を認めた。DMP1は石灰化培地による誘導で発現量は著しい増加を示し誘導7日目に最大発現量となり、その後も高い発現量を維持した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度実施計画では樹立した象牙芽細胞を用いて分化誘導した硬組織形成象牙芽細胞の超微細構造の解析を行う予定であった。しかしながら電子顕微鏡で観察するためのサンプル調整過程で細胞の分化誘導が予定通りに進まず、解析に予想以上の時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
細胞の調整は完了しているため、今後電子顕微鏡による超微細構造の解析を進める予定である。また骨髄由来間葉系幹細胞の樹立を行い、リプログラム因子の同定に向けて遺伝子プロファイルの作製を進める予定である。
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