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2010 年度 実績報告書

Angiogeninのアポトーシス抑制作用が血管の恒常性維持に果たす役割

研究課題

研究課題/領域番号 22791978
研究機関岡山大学

研究代表者

伊原木 聰一郎  岡山大学, 岡山大学病院, 助教 (80549866)

キーワード血管新生
研究概要

Angiogenin (ANG)の遺伝子を欠損させ,その影響からANGの生理的機能を調べるために,ANG遺伝子のノックアウトマウスを作製した.ヒトANGに相同するマウスANGは6種のアイソフォームが存在する.マウスANG-1はヒトANGと相同性が最も高く,組繊分布(主に肝臓)が同じであり、血管新生能をもつため,これをノックアウトした.
8週齢の野性型とKOマウスの胃,直腸,腎臓,肝臓,肺,脳,心臓,脊髄の組繊切片を作製し病理学的検索を行ったが。血管異常は認められなかった.血管異常を認めない理由を検索するため.マウスANG-2,3,4,5,6遺伝子の発現を調べたところ,すべての臓器で発現上昇を認めた.ANG-1以外のANGにより.機能が代償されて表現型がマスクされていると推察された.
ANG-2は肺,ANG-3は前立腺,ANG-4は直腸,にそれぞれほぼ特異的に発現する.ANG-5,6の分布はよく分かっていない.血中を循環するANG-2,3.4,5,6の影響を排除するため,組織から細胞を単離しさらに検討を加えた.ANG-1遺伝子の欠損が血管内皮細胞の増殖能に与える影響を調べるために,野性型とKOマウスの肝臓から血管内皮細胞を単離し培養した.野性型と比較して,KOマウスの血管内皮細胞の増殖は,抑制されていた.細胞ストレスに与える影響を調べるために,血清飢餓状態で培養すると,KOマウスの血管内皮細胞はストレスに感受性が高くアポトーシスが誘導されていた.ANGがアポトーシスの抑制に関与している,ことが分かった.さらに野性型とKOマウスの背部皮下にMatrigelを注入しMatrigel Plug Assayを行った.KOマウスでは野性型と比較し血管新生が抑制されていた.
以上からANGが血管新生や血管の恒常性維持に重要であることが明らかとなった.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Angiogenin as a molecular target for the treatment of prostate cancer2011

    • 著者名/発表者名
      Li S
    • 雑誌名

      Current Cancer Therapy Reviews

      巻: 7 ページ: 83-90

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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