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2011 年度 実績報告書

多孔質セラミックスにおける骨芽細胞の骨形成分子メカニズムの解析

研究課題

研究課題/領域番号 22791981
研究機関広島大学

研究代表者

多田 美里  広島大学, 病院, 歯科診療医 (40572326)

キーワード多孔質セラミックス / ハイドロキシアパタイト / ヒト骨芽細胞 / 骨分化マーカー / シグナル伝達 / IP-CHA
研究概要

自家骨移植に代わる骨再建・再生法として,これまで我々は多孔質セラミックス(IP-CHA)と骨芽細胞のハイブリッド人工骨が有用であることを報告してきた。
本研究においては,IP-CHAにおけるヒト骨芽細胞増殖・分化促進メカニズムを遺伝子レベルで解明し,特異的かつ普遍的に作用するシグナル伝達物質を含めた因子の発見・解析により,IP-CHAにおけるヒト骨芽細胞による骨形成課程における細胞動態の詳細を明らかにすることを目的としている。
IP-CHAにおけるヒト骨芽細胞の骨形成メカニズムの解析を行うため,IP-CHAに当科にて継代培養を行っているヒト顎骨骨芽細胞を播種し,デキサメタゾンを含む石灰化誘導培地で培養後,骨芽細胞からmRNAを抽出し,Runx2,Osteorixなどの転写因子の発現をreal-time PCR法,ELIZA法にて検討し,多孔質セラミックス(IP-CHA)における骨芽細胞の骨形成・分化マーカー(ALP,Type I collagen,OCN,OPN)の遺伝子発現に対する相乗効果,あるいは抑制効果を経時的に検討したところ,細胞内分子と細胞内シグナル伝達系が,ALP,Type I collagen,OCN,OPN mRNAの発現に特異的な作用をきたして骨芽細胞の分化を促進し、制御している可能性が示唆された。
IP-CHAは既に臨床応用されており,本材料と骨原性細胞複合体に関する研究は活発に行われているが,多孔質セラミックスにおける細胞挙動や骨芽細胞分化を制御するシグナル因子群に関する詳細については未だ明らかになっていない。骨形成に関わるシグナル伝達系として,MAPKカスケード,Smadシグナリング,Wntシグナリングが関係することが明らかとなっている。これらの伝達系はストロークしており,骨形成は複雑なネットウークで制御されている。引き続き,IP-CHAにおける骨芽細胞に特異的かつ普遍的に作用するシグナル伝達物質を含めた因子の発見・解析を行う予定である。また,バイオマテリアルと骨芽細胞複合体による骨形成分子機構を明らかにすることにより,多孔質セラミックス/骨芽細胞複合体の臨床応用に基礎的な裏付けを行うとともに,より理想的な骨再建材料の開発と臨床応用を検討する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

H22年度にIP-CHAにおけるヒト骨芽細胞の骨形成メカニズムの解析を行っていたが、年度途中で産休のため一時中断。H23年度研究を再開した際に、再度それまでのデータを解析し直したため、当初の計画よりやや遅れている。

今後の研究の推進方策

22年~23年度に予定していた細胞レベルでの骨形成メカニズムの解析をさらに進めると同時に、IP-CHA/骨芽細胞複合体を生体内へ移植し、局所的骨形成メカニズムの検討および複合体の基本物性の検討を行う。大学院生に補助的に参加していただき、in vitroおよびin vivo同時に解析を行うようにする。

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公開日: 2013-06-26   更新日: 2013-11-13  

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