本研究では、コミュニケーションツールとして非常に重要である構音機能に着目して、磁気共鳴機能画像法(fMRI)を駆使し、口腔癌患者症例を被験者とし、口腔運動および構音機能を担うBroca野、一次運動野、一次体性感覚野、神経ネットワークの中継地点である視床、および術後の構音困難による不快感の指標となりうる扁桃体の活動レベルを捉えたシステムモデルを作成する。そして、口腔癌術後の構音障害が高次脳賦活様相にどのような影響を及ぼし、術後の構音リハビリテーションによる構音障害の回復過程や、腫瘍の切除範囲・再建皮弁の構音障害との関係性を神経学的に解明する。さらに、発話明瞭度検査等の臨床的構音検査とを総合的に評価することで、口腔癌患者の構音リハビリテーションに対するモチベーションの向上や客観的な評価を行うことができ、リハビリテーション治療にフィードバックすることが可能になる。 平成22および23年度は被験者を募集し、fMRIを撮像してデータを収集して解析を行い、口腔癌術後の新しいリハビリテーションメニューの作成・評価法を作成中である。
|