本研究では、コミュニケーションツールとして非常に重要である構音機能に着目し、13人の舌癌、口底癌患者症例を被験者として外科的切除の前後および構音リハビリテーション後で、脳の活動状態を非侵襲的に磁気共鳴機能画像法(fMRI) を用いて脳賦活部位を同定した。構音機能の評価は、発話明瞭度検査と標準ディサースリア検査を用いた。被験者は fMRI 中に課題の文章を発音するように指示した。そして被験者は術後4から6ヶ月の構音リハビリテーションを行った後に fMRI で再度評価を行った。その結果、構音検査の結果と相関して SMC、視床、帯状回の賦活が増大した。今研究において、脳賦活部位の変化を調べる事で、構音リハビリテーションの効果を客観的に評価する事が可能であった。
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