研究概要 |
【目的】ゾレドロン酸(ZOL)の骨抑制効果が破骨細胞への直接作用だけでなくリンパ球由来のRAML/OPGの発現に影響を及ぼすか検証するため,B/Tリンパ球を欠損した状態での骨形態変化,血清RANKL/OPG濃度の変化,T細胞の局在について検討する。 【材料および方法】 C57BL/6, NOD-scid,健常ヒト末梢血単核球を移植したNOD-scidの3群で8週齢の雄マウスを用いた.実験系はこれまでの報告と同様にしてプレドニゾロン(PSL)徐放性ペレット(1.5mg/3週)を皮下へ埋入し,ZOL(100μg/kg)を投与し対照と比較した.またLPSは下顎骨膜下に局注した.解析はμCT評価,骨形態計測,ELISA法による血清RANKL/OPG濃度測定,免疫組織学的検討等を行った. 【結果】 いずれもZOLの投与で骨抑制効果を認め,特に石灰化能の抑制が著明であった.ZOL投与で成長板軟骨幅の増加を認めた.ZOL+PSL併用投与C57BL/6群でLPS処理による血清RANKL濃度の有意な上昇を認めた.1次海綿骨領域においてT細胞の局在変化を認めた. 【考察】 ZOLの骨抑制は石灰化不全と考えられ,破骨細胞の抑制と同時に軟骨の骨分化抑制への関与が示唆された.またZOLとPSLの併用とLPS処理によるRANKL発現上昇にはリンパ球由来の存在が示唆され,潜在する免疫能がRANKL発現に影響すると思われた
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