研究課題
【目的】本研究ではAffymetrix GeneChip[〇!R] Mapping 10K Arrayを用いて口腔扁平上皮癌における全ゲノム上のゲノムコピー数異常を解析し口腔扁平上皮癌の新規転移関連遺伝子の同定を試みた。【材料および方法】口腔扁平上皮癌症例20例を使用した。病理組織学的に所属リンパ節転移陽性例(pN(+))3例および陰性例(pN(-))2例をGeneChip[〇!R] Mapping 10K Arrayにより解析し、pN(-)例と比較してpN(+)例に共通して認められるゲノムコピー数異常を検出、同座位に存在する転移関連遺伝子候補をリストアップした。さらに候補遺伝子のmRNA発現状況を定量的Real-timePCR法により検証した。【結果】pN(+)例に共通してゲノムコピー数が増加していた領域は16領域、減少していた領域は32領域であった。これらの領域上に存在する75の候補遺伝子をリストアップした。pN(+)例に特異的にコピー数が増加していた領域の一つ6q25.3領域にはZDHHC14遺伝子が座位していた。同遺伝子のmRNA発現量を定量した結果、高頻度な発現亢進が認められた(8/20例40%)。さらにmRNA発現亢進はpN(+)症例において有意に認められた(P=0.019)。【結論】これらの結果からZDHHC14が口腔扁平上皮癌の新規転移関連遺伝子である可能性が示唆された。この研究はこれまで行われてきたゲノム解析とは想像を遥かに超えるほどの情報量が得られ、新探索方法として確実に実績が上げられ、これも海外論文で発表し大きな成果をあげた。
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Journal of Oral and Maxillofacial Surgery, Medicine, and Pathology
巻: (in press)
doi:10.1016/j.ajoms.2012.01.016
Journal of Oral and Maxilldfacial Surgery, Medicine, and Pathology
日本口腔外科学会雑誌
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