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2011 年度 実績報告書

不正咬合が誘発する情動変化とストレス関連物質―海馬機能と脳腸相関から―

研究課題

研究課題/領域番号 22792031
研究機関北海道大学

研究代表者

菅原 由紀  北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (50360920)

キーワード不正咬合 / BALB/c-bm/bm / マイクロCT / Functional MRI
研究概要

BALB/c-bm/bmマウスは、先天的に短肢症を生じるマウスであるが、このマウスのうち、約10%のものが水平(左右)的交叉咬合あるいは、反対咬合を自然発症する。これまでに水平的交叉咬合を発症する初発因子として、切歯による機能的な側方偏位と、その状態の継続により交叉咬合が助長される可能性、頭蓋底の蝶後頭軟骨結合部の異常軟骨形成による頭蓋底の成長抑制が認められることを解明してきたが、交叉咬合自然発症、及びこの動物の行動に及ぼす影響の関連について詳細な点についてはいまだに明らかになっていない。本年は昨年度に引き続き、不正咬合の及ぼす全身頭蓋顎顔面部へ影響、および、脳賦活への影響についての検討を行うことを目標とした。頭蓋顎顔面の骨形成への影響については、growth siteとして着目される蝶後頭軟骨結合部の異常について、H型コラーゲンおよびX型コラーゲンの発現を免疫組織染色で観察した。その結果、BALB/c系マウスでは細胞外基質』にH型コラーゲン、X型コラーゲンの発現が認められたことと比べ、bm群ではH型コラーゲンおよびX型コラーゲンの発現が不規則に軟骨細胞質のみに限局して認められた。以上より、コラーゲンの発現および分布の異常が認められ、軟骨小柱構造の消失と関係していることが推察された。次に不正咬合の脳賦活への影響を検討するため、成人ボランティアを用いて下顎位の変化が脳賦活へ与える影響の検討を開始した。まず、スプリント様装置を作成し、下顎の機能的側方偏位を誘導し、この状態と下顎安静位においてfMRIにて脳賦活状況を撮像する。さらに、咬合接触部位、咬合圧、タスクの成績等データを取り、下顎位の偏位による高次脳への影響を詳細に検討することにより、不正咬合による咀嚼機能不全が中枢神経系へ与える影響を明らかにする。現在、資料採得中でデータ解析まで至っておらず、次年度も継続して行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現在までのところは順調に進んでいる。しかしながら、本年度出産休暇取得のため、約半年間実験を中断することとなった。そのため、本年度予定していたfMRIによるデータ取得と解析については、途中で進行が遅くならざるを得ず、次年度に持ち越すこととなった。

今後の研究の推進方策

これまで、予備実験を繰り返し、実験条件の検討を重ねてきた。今後は、被験者をさらに増やし、データ採得を継続、さらに解析作業を続ける。今後の方策として、fMRI撮像前にあらかじめ印象採得を行いスプリント様装置を作成する。この装置を装着して下顎の機能的側方偏位を誘導し、この機能的側方偏位と下顎安静位においてfMRIにて脳賦活状況を撮像する。さらに、咬合接触部位、咬合圧、タスクの成績等の比較を行い、下顎位の偏位による高次脳への影響を詳細に検討することにより、不正咬合による咀嚼機能不全が中枢神経系へ与える影響を明らかにする。

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公開日: 2013-06-26  

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