研究概要 |
歯科矯正治療の意義は個性正常咬合を確立し、良好な機能咬合を構築することにある。しかしながら、咬合不全状態に伴う高次脳、および全身への影響については検索されておらず、評価方法すら確立していない状況である。そこで、本研究では、不正咬合と脳賦活状況との関連、情動及び社会行動との関連を脳と全身から検討した。 今年度は5か月間のみの期間であったため、可能な限り成人ボランティアのデータ採得を行った。上顎にスプリント様装置を作成し、下顎の機能的側方偏位を誘導、保持し印記。その後、1.5T水平型MRI装置を用いて下顎安静位30秒間、側方偏位した顎位置でのクレンチングを30秒間4サイクル行い、その間、Happy,Neutral,Angry の各表情を表す画像を視覚刺激として提示し、脳賦活状況の違いを検索した。また、スプリント装置装着の前後においてPOMS心理的評価を行った。解析はデーターが増えてから行う予定で、今年度は概ね順調に採得を続けている。
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