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2011 年度 実績報告書

ヘッジホッグ伝達変異に関連する頭蓋底軟骨結合形成不全の分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22792074
研究機関松本歯科大学

研究代表者

落合 隆永  松本歯科大学, 歯学部, 助教 (20410417)

キーワード軟骨 / 発生・分化 / シグナル伝達 / 分子機構
研究概要

頭蓋底には軟骨結合と呼ばれる成長板が存在する。この軟骨結合の形成不全や機能不全で顔面骨格の劣成長や不正咬合が惹起される。軟骨結合は、静止軟骨細胞層、増殖軟骨細胞層、前肥大軟骨細胞層、肥大軟骨細胞層によって構成され、静止軟骨細胞層を共有して左右対称性に各層が配列する。ヘッジホッグシグナル(Hh)は軟骨の発生や分化を制御し、成長板での機能維持に非常に重要である。細胞外小器官の一次繊毛がHh伝達に関与すると報告され、一次繊毛構成蛋白であるポラリスの欠損マウスを解析しHh伝達異常とHh分布異常により軟骨結合で異常が生じることを報告した。またHhタンパクの組織内分布に重要なヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSPG)が減少することも確認した。そこで本研究は、軟骨結合での一次繊毛を介するHh伝達を解明し、HSPGのHh機能や軟骨内局在に関与する可能性を検討する。本年度は、Hhタンパク質とHSPGが結合することを検討した。人口的に調製したHSPGの一種であるパールカンとHhタンパク質を反応させFLAGにて免疫沈降を行い、Western Bloting法にて検出した。免疫沈降法にてHhタンパク質とHSPGが結合する結果が得られた。HhとHSGPが結合し、細胞外でのHhタンパク質の輸送ないし機能制御に関与する可能性が示唆された。今後は、HSPGがHh伝達系に対してどのような機能を有しているか詳細に解析する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ヘッジホッグシグナル伝達が抑制されることによりHSPGの発現が抑制され、さらに細胞外でのHSGPとヘッジホッグタンパク質が結合することが明らかとなった。これらのことから、ヘッジホッグタンパク質機能とHSPGの機能は軟骨内で密接に関係する可能性が示唆された。今後はヘッジホッグとRSPGの機能を解析する予定である。

今後の研究の推進方策

軟骨細胞でのHhシグナル伝達においてHSPGがどのように関与するか検討する。HSGPとHhタンパクを反応させ、ATDC5細胞へ加え、Hh標的遺伝子であるPtch1やGli1の遺伝子発現をリアルタイムPCR法にて検討する。これにより細胞外でのHhタンパク質とHSPGの結合がHhシグナル伝達に与える影響を検討する。また、HSGPとHhタンパクを反応させた後に、ヘパリネースで処理しHh標的遺伝子であるPtch1やGli1の遺伝子発現を検討する。
HSPGが軟骨内でのHh分布与える影響を検討する。マウスの頭蓋底軟骨結合を採取し、HSPGの組織内局在を検討し、Hhタンパク質との関連を免疫組織学的方法やin situ hybridization法等にて検討する予定である。

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公開日: 2013-06-26  

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