自己組織化マップを応用した外科的矯正治療の診断支援システム外科的矯正治療では、切歯や顎骨の移動量を決定し軟組織変化の推定がなされるため、側貌パターンを知る必要がある。本研究では、自己組織化マップ(SOM)を用い、成人骨格性下顎前突患者90名の初診時セファログラムをもとに、SOMを用いて硬組織と軟組織とを合わせた側貌形態のパターンを抽出し、診断支援システムで用いるテンプレート作成を行った。SOMのマップ(2×2ユニット)に得られた側貌形態を再構成し、各パターンと基準形態との比較を行ったところ、硬組織形態としてオトガイの突出度、中顔面の後退、下顔面高、デンタルコンペンセーションの有無、咬合平面傾斜を特徴とし、さらにこれらと関連した軟組織形態の特徴を示す4つの側貌形態のパターンが抽出された。これにより、外科的矯正治療で側貌形態を改善するうえで、術前に考慮すべき特徴が異なる硬組織と軟組織とを合わせた側貌の複数のバーチャルパターンがSOMにより抽出された。
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