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2010 年度 実績報告書

iPS細胞の歯周組織幹細胞への分化誘導機構の解明-幹細胞ニッチからのアプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 22792093
研究機関鹿児島大学

研究代表者

迫田 賢二  鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 助教 (70419654)

キーワード歯学 / 移植・再生医療 / 細胞・組織 / 発生・分化
研究概要

本年度は、骨分化誘導したマウスips細胞を免疫抑制ラットの歯周組織欠損部への移植の結果が得られたため、その解析を行った。また、in vitroにおいてマウスips細胞の歯周組織細胞への分化を立証するために、マウスips細胞と歯周組織由来細胞の共培養系を確立した。
まず、骨分化誘導したマウスips細胞をラット歯周組織欠損部へ移植し,組織学的評価を行った結果であるが、ラット歯周組織欠損モデルにおいて、ips細胞移植は皮質骨上の骨形成を増加させるのみならず,一部セメント質の形成を伴った組織像が観察された。このことから、歯周組織再生における細胞ソースとしてips細胞の可能性が示唆された。なお、本研究では、iPS細胞移植によるテラトーマの形成は認められなかった。
次に、マウスips細胞とラット歯根膜細胞の共培養を行った。264種類の遺伝子発現の変化をリアルタイムPcR法にて解析した。興味深い結果として、未分化iPs細胞と比較したとき、BMP-2の遺伝子は約20倍の発現亢進を認める一方、BMP-2のアンタゴニストであるNoginの遺伝子発現が9.44倍、BMPレセプター1bの遺伝子発現が0、34倍、BMPシグナルの伝達分子であるSmad8の遺伝子発現が0.37倍となり、BMPのシグナルが抑制されていた。歯根膜組織はセメント質と歯槽骨という2つの石灰化組織の間に存在する非石灰化の結合組織であり、生理的状態では石灰化しない。すなわち、マウスips細胞とラット歯根膜細胞の共培養により、ips細胞が歯根膜と同様な特性を持った可能性が考えられる。今後は、間葉系幹細胞のマーカーについても検索を行い、歯周組織幹細胞の幹細胞ニッチの解明を進めていきたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 2010

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] iPS細胞による次世代型歯周組織再生療法を目指した研究2011

    • 著者名/発表者名
      迫田賢二, 野口和行
    • 学会等名
      日本歯科医学会 第27回「歯科医学を中心とした総合的な研究を推進する集い」
    • 発表場所
      東京都千代田区
    • 年月日
      2011-01-08
  • [学会発表] 骨分化刺激したマウスiPS細胞のラット歯周組織欠損への移植2010

    • 著者名/発表者名
      迫田賢二, 白方良典, 中村利明, 松山孝司, 野口和行
    • 学会等名
      第53回秋季日本歯周病学会
    • 発表場所
      香川県高松市
    • 年月日
      2010-09-19

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公開日: 2012-07-19  

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