研究概要 |
骨の石灰化初期に発現する骨シアロタンパク質(BSP)は石灰化に重要なタンパク質である。BSPは細胞外マトリックスに存在すため、BSPの機能を解明するためにはタンパク質合成後の翻訳後修飾だけでなく、タンパク質の細胞内輸送経路、さらには分泌後の生理作用といった項目を検討していくことが必要となる。本研究はBSPの細胞外への分泌経路に焦点を当て、形態的手法を用いてBSPの細胞内輸送経路を同定することを目的とした。筋芽細胞(C2C12細胞)におけるBSP mRNAの発現は,6,12,24時間,2,4,6日目と経過時的に増加していた。タンパク質の発現を検討するにあたり、BSPを常に発現している骨芽細胞様細胞(MC3T3E-1細胞)を用いウェスタンブロッティング法のための基礎実験を行った。抗体はImmundiagnostik社のモノクローナル抗体とポリクローナル抗体を用いて,希釈濃度の検討を行った。非特異的な結合を示すバンドが多いため,更なる検討が必要である。次に,BMP-2存在下(12,24時間、2,4,6日間)で筋芽細胞(C2C12細胞)でのBSPのタンパク量発現を経時的な変化を検討する予定である。細胞内局在を観察するためには,蛍光ラベルしたBSPの発現を共焦点レーザー顕微鏡により検討している。ここでも同様に骨芽細胞様細胞を用いた基礎実験を進めている。
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