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歯周病の病態は、口腔内の宿主-細菌インターフェイスにおける細菌叢と病巣局所に誘導される免疫応答の質・大きさの相互作用により決定される。さらに患者個人の遺伝的素因が影響を及ぼすとも考えられている。本研究では、歯周治療を開始する患者の臨床試料(歯肉、歯肉縁下プラーク、末梢血)を採取・分析し、免疫学的、細菌学的、遺伝学的因子を全て考慮することで、複眼的視点から歯周病の発症・進展メカニズムの解明を目指し、歯科臨床に直結・貢献する診断法や治療法へと応用することを目的とする。
本年度は、東北大学病院歯内歯周療法科を受診し、歯周治療を開始する患者からインフォームドコンセントを得た後、臨床資料(X線写真、口腔内マクロ写真、歯周ポケット測定)・研究試料(歯肉と歯肉縁下プラーク)の収集を行った。歯肉および歯肉縁下プラークは、初期治療のスケーリング・ルートプレーニング時(TBI、歯肉縁上スケーリング終了後)に、歯肉はポケット底部を掻爬し、歯肉縁下プラークは滅菌ペーパーポイントを用いて採取した。また、CE-TOFMSを用いて、細菌およびプラーク全体から得られる代謝産物及び代謝中間体を網羅的に評価するメタボローム解析を確立した。この解析法は、歯周病原性を発揮する要素とその機構を追求する際に有用であると考えられる。今後、歯周病患者の臨床試料の採取および臨床病態の評価を進めるとともに、歯周病巣歯肉中のサイトカインプロファイルの解析、歯肉縁下プラーク中の歯周病関連性細菌種の定量的検出と歯周病原性の検討を行う予定である。
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