1)Health Belief Modelに基づいた健康行動に関する質問票の作成 質問票は属性変数、社会・心理学的変数、構造的変数、健康行動の実践状況(定期的な歯石除去や歯面清掃の有無など)、Health Belief Modelを構成する4つの因子(脆弱性、重大性、有効性、障壁)、行動のきっかけに関する項目を検討しパイロット版を作成した。次に岩手医科大学歯科医療センターの患者を対象に質問票調査を実施し、得られた結果は集計し質問票の妥当性を検討した。次に、探索的因子分析により因子を抽出し、得られた因子について共分散構造分析行い因子間の関係についてモデル化した。モデル化に際してはモデルの適合度、因子間の相関を考慮しながらHealth Belief Modelを本研究に適合するよう修正した。集計から共分散構造分析の過程において床効果、天井効果のみられた項目、各因子の因子負荷量の小さい項目については質問票から削除あるいは修正をした。 2)住民基本台帳による調査対象者の選出 岩手県85歳追跡調査にて喪失歯数の平均に差のみられた盛岡市(平均喪失歯数25.5歯、人口30万、世帯数に占める農家の割合4.3%)を都市部、八幡平市(平均喪失歯数27.9歯、人口3万、世帯数に占める農家の割合38.5%)を農村部として調査対象者の選出を行った。調査対象者は各市の住民基本台帳をもとに「健康日本21」のターゲットエイジである60歳を含み、さらに歯の喪失が最も生じやすくなる年齢層である55~64歳の男女各300名ずつ(計1200名)について系統抽出による無作為抽出をおこなった。
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