抗悪性腫瘍薬点滴静脈内注射中患者の深部体温の変動並びに抗悪性腫瘍薬治療中における湯たんぽ貼用の効果について明らかにする目的で、悪性リンパ腫瘍患者を対象に調査した。その結果、平均前額部深部体温は36℃前後を維持し、治療最中の深部体温の変動はみられなかった。湯たんぽ貼用群(A群)と対照群(B群)の前額部深部体温を比較より、B群治療クール終了週において温度上昇傾向を認めた(p=0.074)。湯たんぽ貼用時間の長短(60分〉群、60分〈群)で比較したところ、前額部深部体温は60分〉群の方が高く、夕方の腋窩体温は60分く群の方が高かった。60>群の白血球数変化率では、治療クール2週目A群で43%増加し、B群で30%減少した。このことから、湯たんぽ60分以上貼用により、白血球数の早期回復、嘔気や食欲不振症状の改善の可能性が示唆された。
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