研究課題/領域番号 |
22792149
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
古島 智恵 佐賀大学, 医学部, 助教 (00363440)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | うつむき姿勢 / 温罨法 / マッサージ |
研究概要 |
眼科疾患のうち網膜剥離、糖尿病性網膜症、黄班円孔等の網膜疾患に対して行われる硝子体腔内のタンポナーデ術では、患者は術後数日~約10日間にわたり下を向いた姿勢(うつむき姿勢)の保持を余儀なくされる。うつむき姿勢の保持により多くの患者は頚部痛、腰痛、精神的苦痛等を訴え、臨床現場では温罨法やマッサージ等の援助が行われることが多いが、このような患者の苦痛や援助の有効性についてはこれまでに詳細に調べられていない。本研究は、眼科疾患術後のうつむき姿勢を想定した体位の保持が身体へ及ぼす影響を生理学的、心理学的側面から調べ、更に温罨法およびマッサージの身体への効果を検討することを目的とした。本研究における被験者は、まず基礎的な知見を得るために眼科疾患患者ではなく健常成人とし、眼科疾患術後のうつむき姿勢を想定して測定を実施した。被験者の年齢は、網膜剥離の発症が10~20歳代および60歳以上に二極化していることや、糖尿病性網膜症および黄班円孔は60歳以上に多く発症することから、本研究では、被験者を20歳代および60歳以上の健常成人とした。 平成23年度の20歳代健常成人男女に対する検討結果をふまえ、平成24年度は、60歳以上の成人男女計13名を被験者として測定を実施し、主にうつむき姿勢が生体に及ぼす影響とマッサージの効果について心拍数、心拍変動解析による心臓自律神経活動指標、皮膚温、筋硬度、POMSおよびVASを用いて検討を行った。その結果、60歳以上の成人においてもうつむき姿勢の保持により気分的な活気の低下と疲労の増大が起こることが示され、疼痛はうつむき姿勢の時間と共に増強するが、マッサージの介入を行うことで軽減される傾向が見られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度は、予定していた60歳以上の被験者に対して測定を行い、主にうつむき姿勢保持の生体への影響とマッサージについての検討を行った。また、平成24年度は、平成23年度に実施した20歳代の被験者22名の検討結果を学会にて発表した。よって、予定していた測定および学会での発表を行うことができているのでおおむね順調に進行していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は、予想していた通り60歳以上の被験者について、予定被験者数の6割程度の測定しか終了していない。よって、平成25年度は、60歳以上の被験者に対する追加測定を行っていく。平成24年度は被験者数の関係から60歳以上の被験者に対するうつむき姿勢が生体に及ぼす影響とマッサージについての検討を中心に行ったが、平成25年度は追加測定を行うことで、温罨法についての分析を進めていく。更に、平成23年度に測定を行った20歳代の被験者のデータを含め、20歳代と60歳以上の被験者との比較を含めた詳細な分析を進めていく。
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