本研究は、うつむき姿勢の保持が身体へ及ぼす影響について検討し、更に姿勢保持に伴う苦痛への温罨法およびマッサージの効果を検討した。20歳代健常成人において、姿勢の保持により気分的な活気の低下、疲労の増大、および疼痛の増強がみられたが、温罨法またはマッサージを行うことで軽減された。60歳以上健常成人において、姿勢の保持により気分的な落ち込み、活気の低下、疲労の増大、および疼痛の増強がみられた。気分は、温罨法またはマッサージによる著名な改善はみられなかったが、温罨法により直接作用する部位の疼痛は増強せず、マッサージにより疼痛は軽減された。これらの効果は心拍数、血圧等の生理学的知見からも裏付けられた。
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