研究課題/領域番号 |
22792152
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研究機関 | 岩手県立大学 |
研究代表者 |
三浦 奈都子 (小山 奈都子) 岩手県立大学, 看護学部, 助教 (40347191)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 薬剤の血管外漏出 / 抗がん剤 / 罨法 / 基礎看護学 / 皮膚傷害 / 血管透過性 |
研究概要 |
静脈注射を実施する際に起こり得る薬剤の血管外漏出による皮膚傷害に対するケアを確立することを本研究の目的とした.看護師は,血管外漏出時に冷罨法や温罨法を行っており,冷罨法温罨法ともに腫脹の軽減を目的としている.これまで,注射用チアミラールナトリウム(イソゾール)とフェニトインナトリウム注射液(アレビアチン)について,血管外漏出時に起こる腫脹に対する罨法の影響を検討してきた.今回は,抗癌剤であるドキソルビシン漏出直後の罨法が,血管透過性に与える影響を検討した. マウスの背側皮膚に薬剤を投与後,30分間または3時間の罨法を実施した後,組織を摘出し血管透過性について評価した.その結果,30分間の罨法後の血管透過性は,薬剤漏出のみの対照群と比較し,冷罨法群も温罨法群も同等であった.3時間の罨法後の血管透過性は,対照群および冷罨法群と比較し,温罨法群で亢進していた.臨床現場において温罨法は,腫脹を軽減することを目的に実施されることもあるが,かえって腫脹を広げる可能性が示唆された. 今回は漏出直後の罨法実施であったが,今後は漏出後時間が経過した後の罨法の影響について検討する予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
罨法の温度の違いによる皮膚傷害の程度について,PCRを用いて検討する予定であったが遅れている.機器の操作に習熟することにより,早急に進めていく予定である.
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今後の研究の推進方策 |
今回は漏出直後の罨法実施であったが,今後は漏出後時間が経過した後の罨法の影響について検討する予定である.また,PCRを使用し,薬剤の血管外漏出後の罨法の温度の違いによる皮膚傷害の程度を評価していく予定である.
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