静脈内注射によって投与される薬剤が,血管外に漏れ出ると皮膚組織に傷害を起こす場合がある.点滴漏れに対するケアとして,罨法やステロイド軟膏塗布が行われている.また,抗がん剤の血管外漏出に対してはステロイドの局所注射が行われている.これらのケアの有効性を検討することを本研究の目的とした. マウスの背部皮膚に薬液を投与した後,それぞれのケアを行った結果,20℃程度の冷罨法とステロイド軟膏の塗布は,腫脹の面積を減少させた.抗がん剤の漏出に対してステロイド局所注射を行うと傷害が拡大する傾向があり,壊死形成を阻止することはできなかった.
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