研究課題/領域番号 |
22792154
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研究機関 | 独立行政法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
守田 恵理子 独立行政法人国立国際医療研究センター, 講師 (10423849)
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キーワード | 看護 / 退院サマリー / 情報共有 / 情報プライバシー |
研究概要 |
平成22年から実施をしている、患者情報プライバシーを考慮した情報共有に関する現状調査を行った。平成24年度に調査を実施するための基礎調査として、調査協力に同意が得られた4名の対象に対して、インタビュー調査を行った。対象は、意識障害や認知レベルの低下していない、自己による意思決定のできるものとした。調査内容は、対象の基礎情報、転院や退院時に異なった施設間での医療者の情報共有に関する認識・考え方などとし、インタビューガイドを用いた半構成面接を実施した。調査対象の平均年齢は65.5歳であり、全ての対象者が有職者、もしくはボランティアなどで社会活動に参加していた。入院経験のあるものは2名であり、退院後は自宅で生活し、入院した病院、又は退院した病院から紹介された病院に通院していた。退院時または転院時に入院中の情報をまとめたサマリーを作成していることを知っていたものは1名であり、自己のサマリーの内容を確認したことのあるものはいなかった。病院内に個人情報取扱いに関する掲示物があることを知っているものは1名であり、その内容に関して十分に理解できていると回答したものはなかった。転院などで他の施設に移動する場合、自己の診療情報について全て提供してほしい、と全てのものが回答した。しかし、家族情報や一部の内服情報に関しては、信頼できる医療者従事者にのみ知っていてほしい、と回答したものが1名であり、その他のものは、診療に関連する場合のみ伝えてほしい、または伝えたくないと回答した。また、自分以外の家族が入院する場合は、全ての回答者が、できるだけ多くの情報を医療従事者に伝えたいと回答した。その際に、聞かれたくない情報について情報提供を求められたらどうするか、という質問に対しては、診療上必要であるならば提供する、と回答した。 平成24年度はこのインタビュー結果をもとに調査票を作成し、医療施設、高齢者福祉施設などで質問紙調査を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
患者を対象とした調査の実施のため、調査項目の検討が十分に行えていないため、上記評価であると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
年度半ばまでに調査票を作成し、1県の100床以上の医療施設の外来受診者、家族を対象として、調査を実施する予定である。患者を対象とした調査であるため、倫理的な配慮が必要であり、必要時は調査を実施する医療施設において研究者が調査対象者に直接説明を行うなど、対応を行う。
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