本研究は、平成22年度から平成24年度までの3年間において、新卒看護師の組織適応に関し、個人の適応プロセスにおける意識や適応行動の変化と、個人の意識や適応行動と個人の組織適応を促進する組織に必要な組織社会化戦術との関連を検討することを目的としている。平成24年度は、平成22年度および平成23年度に実施した調査結果に基づき、さらなる詳細な分析を実施するとともに、さまざまな視点から検討した、看護師の組織適応の様相、個人の意識と適応行動の構造と変化、看護師の職業的発達などに関する研究成果の公表を実施した。 平成22年度および平成23年度に実施した調査結果のさらなる分析では、新卒看護師を対象とした縦断的調査データについて、個人の離職に関する意識の変化と組織への適応行動に焦点をあて、共分散構造分析を含む統計学的な分析を実施し、新卒看護師の意識のダイナミックな変化とその規定因子について具体的に検討した。さらに、新卒看護師の「自己効力感」「離職に関する認識」「適応行動」などの縦断的調査データから、新卒看護師の個人の意識と適応行動における関係性を検討した。 研究成果の公表では、平成22年度および平成23年度の調査データに基づき検討した結果について、日本看護管理学会および日本看護研究学会において、新卒看護師の意識と適応行動の構造とその変化や関係性、看護師の職業的自律性の発達に関する研究成果を公表した。
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