本研究では、新卒看護師の組織適応過程について仮説モデルを設定した後に質問紙を作成し573名を対象として、縦断的に3回の調査を実施した。 その結果、 新卒看護師の離職への思いの強さは、4月が最も弱く、その後強まっていた。離職への思いの強さには、個人の自己効力感に影響を受けていた。離職に関する思いの強さは、その時点の 「挑戦力」には負の影響を及ぼすものの、 数ヵ月後の「挑戦力」に正の影響があることが確認され、 入職直後にやめたいと思うことはその後の職業継続に影響することが示唆された。 このため、新卒看護師の社会化において、 やめたいと思うことの肯定的な側面を支援していく必要があると考えられた。
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