研究概要 |
平成22年度は、インタビュー調査で使用する質問項目「Real-Life Moral Conflict and Choice interview*」の日本語版作成、予備調査実施、本調査実施のための研究計画の倫理委員会申請を行った。質問項目は、著者であるGilliganにメールにて本研究の目的を説明し、質問項目使用の許可を願い出た。著者から質問項目の使用許可が得られた後、研究者が翻訳した日本語版「実生活の道徳的葛藤と選択のインタビュー」の質問項目をバックトランスレーションした内容をメールで送付し、著者と研究者の解釈に相違がないか確認を依頼した。その結果、研究者が作成した日本語版に対する著者の解釈に相違はなく、日本語版の妥当性は確認できた。さらに、日本語版の質問項目を用いたインタビュー調査が実施可能であるか確認する目的で予備調査を計画した。看護師免許を持ち臨床現場での葛藤経験がある男女3名に予備調査への協力を依頼して、そのうち協力が得られた2名(男女各1名)に実施した。その結果、60分以内に実施でき、協力者から質問項目に十分な回答が得られたため、研究者が作成した日本語版を用いて本調査の実施が可能であるとことが分かった。また、事前にインタビューでの調査内容を対象者に説明しておくことで、インタビューがスムーズになることが分かった。これを受けて、次年度の本調査に向けて、本研究計画を熊本大学大学院生命科学研究部の疫学・一般研究倫理委員会に申請手続きを行った。 *Lyn M Brown.Mark B Tappan.Carol Gilligan., et al.Reading for Self and Moral Voice : A Method for interpreting Narratives of Real-Life Moral Conflict and Choice,Bill PUKA.Caring Voices and Women's Moral Frames,Routledge ; New York,1994.161-189.
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