平成23年度に開発したe-learningシステムを看護教育科目(科目名:医療情報学)に導入することで,システムの有効性に関する実践的評価を行った.具体的には,以下の2点について実践的に検討を行い,システムの有効性および教育的可能性を評価した. (1)看護における創造性を学習するためのビデオ教材の導入 e-learningシステムの主要なコンテンツである,学生が臨地実習場面で実際に行っていた「創造的な看護実践」の内容をベースとしたビデオ教材を授業へ導入した.本授業では,脳卒中後遺障害者のための自助具の作成を課題とした.学習者は自助具の計画・作成・評価の各段階でビデオ教材を参照しながら活動を進めた.授業後にまとめられたレポートを分析した結果,ビデオ教材を参照することで学習者の活動が効率化されたことが確認された.また,昨年度の実践と比較して,より質の高い自助具が作成された傾向があわせて確認された. (2)看護における創造性に関する評価の実施 これまでに作成した,看護における創造性に関する評価項目とその評価基準をまとめたチェックリストをもとに,e-learningシステムに学習者の看護における創造性を評価する課題を実装した.授業の前後に課題を実施した結果,とくに対象者の生活場面の理解に関する項目について,知識・態度の向上が確認された.また看護実践における安全性や時間的な制約などに関する知識・態度の向上があわせて確認された.
|