本研究の目的は、血液透析患者の食事管理に対する態度を質的研究にて明らかにし、その質的研究の知見を基に、維持期にある外来血液透析患者の食事管理に対する態度を測定できる尺度の開発および信頼性と妥当性を検証することを目的としている。また、平成22年度は維持期にある外来血液透析患者の食事管理に対する態度について明らかにすることである。 結果として、平成22年度は、血液透析患者の食事管理における態度を明らかとするために、質的研究を実施した。方法はエスノグラフィーを行い、群馬県、京都府、宮城県の3県で、9名の対象に半構成的面接および調理・食事場面の参加観察を行い、データ収集を行った。現在、そのデータを分析途中であるが、504個のコードが抽出された。抽出されたコード間の関係性を検討した結果、40個のカテゴリが抽出された。さらに、そのカテゴリの関係性を検討した結果、8つのコアカテゴリが明らかとなった。8個カテゴリを図解化しているが、態度の土台として、日本の四季・季節を感じた行動と家族の意識・協力(愛)があると考えられる。現在、そのカテゴリとコアカテゴリを精選中であり、この結果を明らかにした後は論文として仕上げ、6月にある日本透析医学会で発表し、海外学会誌への投稿を行う予定である。
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