研究課題/領域番号 |
22792174
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
渡邉 美和 千葉大学, 大学院・看護学研究科, 助教 (90554600)
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キーワード | 終末期 / がん患者 / ターミナルケア / 家族 / 相互作用 |
研究概要 |
「終末期がん患者と配偶者の相互作用を明らかにするための研究」について.平成23年4月に千葉大学大学院看護学研究科倫理審査委員会にて承認を受け、データ収集を開始した。 調査1では、発声可能な終末期がん患者と配偶者の相互作用を明らかにすることを目的とした。対象者は、(1)終末期がん患者とその配偶者、(2)患者.配偶者ともに、病名や進行度、再発、転移、根治手術が不可能であることなどについての病状説明を医師から受けている、(3)配偶者は患者の面会や付き添いが可能な状況であるという条件を全て満たし、研究参加の同意が得られた入院中の患者とその配偶者、とした。調査2では、失声した終末期がん患者と配偶者の相互作用を明らかにすることを目的とし、調査1の対象者の選定条件に「患者は治療により失声した者」を加えた。 調査1および調査2の調査方法は、参加観察法、面接調査法、記録調査を用いた。倫理的配慮として、データ収集を行う診療科長と看護師長に研究の説明を行い、許可を得た後に病棟看護師長より対象候補者を選出してもらい、研究説明を聞くことへの可否を確認してもらった。 調査1では、平成23年10月~平成24年3,月に計4組の患者と配偶者に研究説明を聞くことについて依頼し、3組から承諾を得た。そのうち1組は、研究説明をする前に急遽退院となったため対象候補者から除外され、研究説明を行った2組の患者と配偶者より研究参加の同意を得て、各1~2回の面接を行った。対象者の概要は、患者40歳代2名、疾患名は食道がん、外耳道がん、配偶者40歳代2名である。 調査2では、平成23年度内に計2組の患者と配偶者に研究説明を聞くことについて依頼し、2組から承諾を得た。研究説明を行った2組の患者と配偶者のうち、1組は研究参加を断ったため、1組より研究参加の同意を得てデータ収集を継続している。対象者の概要は、患者60歳代、疾患名は中咽頭がん、配偶者60歳代である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では、今年度の調査対象者数は8組程度を予定していたが、条件を満たす対象候補者が病棟に入院していない時期もあり、対象候補者となる者を確保することが困難であった。対象候補者がいたとしても断られるケースが2組、急遽退院するケースが1組あったことから、対象予定数に達していない状況である。
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今後の研究の推進方策 |
データ収集の進行がやや遅れているため、平成24年4月~12月の期間もデータ収集を継続し、同時にデータ分析を行っていく。対象の条件を満たす患者と配偶者が病棟に入院していない時期もあり、平成23年度は依頼できる人数が少なかったため、対象候補となる患者が入院している時期を逃さぬように、教育活動の合間にもできる限り病棟に赴き、対象候補者への依頼について、看護師長との相談を積極的に行う。 本研究の対象者は、がんの終末段階にあり調査を承諾することが厳しい状態なので、少ないケースでも厚みのあるインタビューや参加観察をするように努める。
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