研究課題
本研究は、炎症性腸疾病(IBD)患者主体の自己管理アプローチを開発し、小規模の予備的調査において、その実施可能性を評価するとともに、患者アウトカムへの影響を評価することを目的に、以下を実施した。1.IBD患者の自己管理の実態、体調悪化を感じた際の対処の実施程度とその有効性の認識の患者アンケート調査2.経験豊富な専門医へのインタビュー調査およびIBD患者の自己管理支援および悪化時の対処指示に関するアンケート調査3.服薬アドヒアランスに関する調査および服薬アドヒアランスアセスメントツールの開発平成25年度は、これまでに行った体調悪化時の対処に関する医師の認識調査および患者アンケート調査の結果をまとめ、学術雑誌および国際学会等で成果の発表をした。患者調査では、体調悪化と認識する症状と予約日を待たずに受診が必要であると判断する症状との関係を明らかにした。その結果、両疾患ともに悪化を認識してから受診までにはタイムラグがあり、受診の遅れにより重症化させている患者が存在している可能性が示唆された。体調悪化時の対処について、主治医から指導を受けていない患者も多く存在した。また、全国の炎症性腸疾患診療経験豊富な専門医を対象としたアンケート調査では、悪化時の対処として患者に薬剤の増量・追加指示を出すことの必要性の認識し、実際に患者によって個別に指示を出していた医師がほとんどであった。指示の内容としては、潰瘍性大腸炎に対し、アミノサリチル酸製剤局所療法の追加指示が最も多かった。さらに潰瘍性大腸炎患者調査をもとに服薬アドヒアランス低下のリスク要因を用いてアセスメントツールの開発を行った。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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