研究概要 |
平成22年度は本研究の初年度に当たり、文献検討とインタビューによる調査を行い、核となる知見の収集を行うことを目的とした。具体的な内容としては、1.糖尿病看護、高齢者看護、セルフケア、疾患併存状態にある人の看護等に関する先行研究を検索する、2,糖尿病とその他の疾患を合併する高齢糖尿病患者にセルフケアの実態についてインタビューを行う、3.高齢糖尿病患者の看護を行うことの多い看護師に、疾病併存状態にある高齢糖尿病患者への支援の実態についてインタビューを行う、4.専門領域の学術集会に参加し、糖尿病患者への看護および高齢者看護についての最新の情報を得ることであった。それぞれについて実績概要を説明する。 1.平成22年5月から平成23年3月を通して国内外の文献検索を行った。 2.平成23年2月に福井大学医学部倫理審査委員会の承認を受け、2月よりF県内の総合病院に入院もしくは通院中の疾病併存状態にある高齢糖尿病患者を対象に、セルフケアについて、疾病併存状態にあることでの困難さ、それぞれの疾病の捉え方について半構成的インタビューを実施しており、現在34名からのデータを得ている。さらに平成23年度も継続予定である。 3.平成23年2月に福井大学医学部倫理審査委員会の承認を受け、2月よりF県内の総合病院の内分泌内科病棟に勤務する看護師を対象に、高齢糖尿病患者へのセルフケア支援について、半構成的インタビューを実施しており、現在4名の対象者からデータを得ている。平成23年度も調査を継続する予定である。 4.日本糖尿病教育・看護学会学術集会(10月)、日本老年看護学会学術集会(11月)に参加し、糖尿病と他の疾患を併せ持つ患者への看護や高齢者看護に関する知見を得ることができた。 現在、上記の知見をもとに、臨床における看護実践に導入可能な、高齢糖尿病患者への看護支援内容の精選を行う予定である。
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