研究概要 |
本調査は,在宅酸素療法患者の栄養状態と活動量の関係について調査し,その結果から患看の息切れを軽減する有効な生活管理プログラムを検討することを目的としている。 本年度は「在宅酸素療法患者と栄養状態」「在宅酸素療法患者の内臓タンパク,血清アルブミンとの関係」「在宅酸素療法患者の患者指導(栄養)の実際」「呼吸筋と栄養との関係」などに関する調査や分析内容について,国内外の文献を検討し調査内容を再検討した。その結果,在宅酸素療法患者の除脂肪体重の維持・増加には分枝鎖アミノ酸(バリン,ロイシン,イソロイシン)の摂取が大きく関係していた。また,安静時消費エネルギーの増加や息切れ・疲労感により十分な食事摂取ができないなどの理由から,日本人の食事摂取基準の推定エネルギー必要量が不足していると推察できる。以上のことから,分枝アミノ酸・除脂肪体重などの栄養状態と,食事摂取量(総エネルギー量)・食欲・食事の満足感などの食事摂取状態,息切れなどの呼吸状態との関係を調査することで,在宅酸素療法患者の息切れを軽減する生活管理プログラムを検討する一資料になると考えた。本年度はプレテストまで実施する予定であったが,調査内容や調査用紙の見直し,調査施設の選定と承諾,対象者の選定などに時間を費やし,現在は所属する大学の倫理委員会へ書類を提出する準備を整えている段階である。倫理委員会の承諾が得られれば,年度初め早々にもプレテストを実施する予定である。その結果から,調査用紙および調査方法を再度検討しながら,準備が整った段階で本調査を実施する。
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