本研究では、看護師が患者の療養生活上のニーズを把握するための「心臓デバイス植込み患者の療養生活アセスメントツール」の開発を目的としている。本年度は、研究者所属施設の保健学倫理委員会の審査を申請し承認された。その後、本年度実施計画の通り、以下の手順にて、「療養生活アセスメントツール」案の作成および表面妥当性の検討を行っている。 1.質問項目と回答の選択肢および測定方法の検討 (1)心臓デバイス植込み患者の療養経験に関する文献レビューを行った。(投稿予定) (2)申請者が先行研究で明らかにしたICD植込み患者の療養経験を基盤に、(1)の結果を加え「療養生活アセスメントツール」の質問項目になりうる項目を抽出した。 (3)抽出した質問項目について、「非常にあてはまる」から『全くあてはまらない」までの5段階順序尺度を設定して配点し、得点が高いほど療養生活上のニーズが高いことを示すように、回答の選択肢と測定方法を検討中である。 なお、(1)および本ツールの基盤となる申請者の先行研究に基づき、日本循環器学会にてシンポジウム(招聘)講演し、同時に関速調査研究の成果報告演題発表を通して行った、デバイス医療に携わる看護師、研究者とのディスカッションは、本ツールの必要性の確認および考案中のツール案の検討において効果的な成果となっている。 現在、2.表面妥当性の検討、および、次年度実施する3.ツール案の信頼性妥当性の検討のための調査フィールド開拓、研究打合せ等の準備を継続している。
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