研究概要 |
本研究は、看護師が心臓デバイス植込み患者の療養生活上のニーズを把握するための「心臓デバイス植込み患者の療養生活アセスメントツール」の開発を目的としている。 本年度実施計画に基づき、昨年度表面妥当性を検討した「心臓デバイス植込み患者の療養生活アセスメントツール」案の信頼性、妥当性、ならびに下位尺度に関連する要因を検討するための調査を、以下の概要で実施した。 【研究対象】デバイス外来(3施設)通院中の患者約300名(ペースメーカー,ICD,CRT-(D)90名前後) 【収集データ】 (1)療養生活アセスメントツール:予備調査で作成したツール案 (2)背景要因:対象者の個人因子、健康関連因子、社会心理状況(前頁の概念図参照) (3)心理社会的状態:気分・感情状態(POMS : Profile of mood scale)およびQOL(SF36v2) これらの内容を、安定性の検討のために、2回(2週間間隔)で実施した。 なお、昨年度の震災に伴い、当初の予定施設での調査が困難となり、本年度再調整を行ったため、調査開始が遅れた。そのため、現在、収集したデータを分析途中の段階である。 本研究における昨年度の表面妥当性を検討するためのプレ調査の結果、および、本研究の基盤となる先行研究である「植込み型除細動器植込み患者とその家族の療養経験の掲示的変化に関する研究」(若手研究B,課題番号19791696,平成19~21年度)の成果について、書籍分担執筆、学術誌解説、招聘講演等で専門職者への成果報告を行った。本年度実施した本調査に関する成果報告は、鋭意、分析を進め、次年度中に論文投稿する見通しである。
|