本研究の目的は、終末期がん患者の家族がより良い最期を迎え、家族が成長へと向かうような看護を提供するために有用となる評価尺度を作成することである。それを達成するために本年度は以下の目標を挙げた。 1)データの分析:家族機能評価尺度(原案)を、主に終末期看護および家族看護に精通する研究者に対し、尺度の適切性を問う質問紙調査を実施し、内容妥当性・表面妥当性を検討する。その後、構成概念妥当性や信頼性を検討する。 2)報告書の作成
10家族へのインタビュー結果を逐語録に起こし、類似する記述内容を集め整理し、家族機能に関する25項目を抽出した。次に、文献検討や他の研究者とのブレインストーミングにより5項目追加し、合計30項目のアイテムプールを作成した。その後、項目間の重複や表現等について再度検討、修正し、最終的に28項目の家族機能評価尺度の原案を作成した。終末期看護、家族看護に精通するエキスパートナース、研究者計3名に対して尺度原案の適切性を問う質問紙調査を実施した。適切性が確保されなかった項目の修正や削除を行った結果、合計27項目の家族機能評価尺度原案修正版が完成した。 しかし、家族機能評価尺度原案修正版の妥当性・信頼性の検証には至っておらず、今後、取り組んでいく予定である。
|