研究課題/領域番号 |
22792207
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研究機関 | 広島国際大学 |
研究代表者 |
吉岡 さおり 広島国際大学, 看護学部, 講師 (60454881)
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キーワード | 終末期がん患者 / 看取り / 家族支援 / 継続教育 / 教育評価 |
研究概要 |
一般病棟における終末期看護の実践において、心理社会的なケアや患者を看取る家族に対する支援は十分に実践されていない現状があり、継続教育による入材育成は緊急の課題である。前年度に引き続き、平成23年度は以下の3点を中心に研究を進めた。 1.プログラムの最終評価と実施要領の作成 1)プログラムの最終評価:評価指標の統計学的分析により、プログラムに参加することによって看取りケアに対する態度・自信・知識と共に、看取りケア実践能力が向上したことが示唆された。プログラムの構成等の運営上の評価についても肯定的な評価が得られた。参加者の感想文からは、チームでプログラムに取り組んだ方法を反映し、チームメンバーの考え方や自身とは異なる考え方等を知ることがきる、学びが実践に還元しやすいなどの肯定的な意見が得られた。チームの変化に対する評価については、質的な分析の方が適切であると考えられた。 2)上記のことから、看取りケア実践教育プログラムは実用可能なプログラムであることが示唆された。従って、プログラムの内容、展開方法、評価方法について実施要領にまとめた。 2.第1回目プログラム参加者の長期的評価 第1回目プログラム参加者は、プログラム参加後の継続勉強会を自主的に実施している。継続勉強会の成果評価として、プログラム協力施設の看護管理者と協働してプログラム参加者に対する意識調査を実施した。終末期の患者の家族をケアの対象として意識し、家族に対し積極的かつ意図的に関わろうとする項目の得点が高い結果が得られ、プログラム終了後も教育の効果が継続していることが示唆された。 3.訪問看護ステーションの看護師に対する教育の実施 上記の対象者に対し、看取りケア実践教育プログラムの前半部分である、家族看護の基礎知識および家族アセスメントに関する講義を実施した。在宅の状況に適した評価指標の検討等が今後の課題となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画当初は複数施設に同時に介入し、対照群を設定する計画であったが、プログラムの運営に関われる人員が申請者のみであること、施設間の差異を調整することが困難であること、対照群を設定するまでもなく、ある程度の教育効果は期待できることなどの理由から、1施設に対する対照群を設定しない前後比較研究とし、研究計画の修正が必要であったという点で、「概ね順調」とした。時間的な計画については順調である。
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今後の研究の推進方策 |
23年度までは計画の実施と学会発表に留まっているため、平成24年度は論文にまとめて投稿するなど、研究の総括を行う。プログラムに関しては、広く活用されるよう、書籍としての出版も検討する。 さらに、介入協力施設を探索し、プログラムの展開も進めていく。
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