研究課題/領域番号 |
22792209
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研究機関 | 活水女子大学 |
研究代表者 |
松浦 江美 活水女子大学, 看護学部, 講師 (20363426)
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キーワード | SLE / ストレス / 自己管理 / 慢性疾患 / HPA-axis |
研究概要 |
【目的】全身エリテマトーデス(SLE)患者において、(1)ストレス適応系としての神経・内分泌・免疫系の機能異常の有無について検討する。(2)ストレスマネジメントを含む慢性疾患セルフマネジメントプログラム(CDSMP)介入を行い、その効果について検討する。 【方法】SLE患者含む患者5名に対して、CDSMP介入前後における血清中の種々の神経・内分泌・免疫系活性物質を測定し、ストレス関連QOLの調査を行った。 【結果】介入前に比較して介入後の患者では、疼痛緩和効果を持つ神経系活性物質であるβ-エンドルフィンは有意に高値を示し、Cortisolは有意に低値を示した。また、有意差は認められなかったが、炎症性サイトカインであるIL-6やTNF-αの低下傾向が認められた。またQOL指標(SF-8)のうち身体的健康度や病気とうまく付き合うことができるという自信(自己効力感)は有意に高値を示した(図4)。つまり、介入前と比較すると介入後の方が、身体的な健康はよくなっていると感じており、病気とうまく付き合うことができるという自信が高くなっていた。また、有意差は認められなかったが、QOL指標(SF-8)のうち精神的健康度の上昇傾向や自覚ストレスの程度と痛みの程度について低下傾向が認められた。 【結語】先行研究と同じように介入後において身体的健康度の上昇や自分の病気とうまく付き合っていくことができるという自信の向上につながったと考えられる。また、有意差は認められなかったが、精神的健康度の上昇傾向、自覚ストレスの程度や痛みの程度の低下傾向が認められた。さらに、介入前に比較して介入後では、疹痛緩和効果を持つβ-エンドルフィンは有意に上昇し、Cortisolは有意に低下した。まだ分析例数が少ないものの、このことはこのようなセルフマネジメントプログラムがHPA-Axisの機能回復に何らかの役割を果たすかもしれない可能性を示唆しており、新しい知見として意義をもつもめと思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
介入を行う対象者を20人程度としていたが、1週間に1度(1回2.5時間)合計6週間継続して通うことができる対象者をリクルートすることが困難であった。しかし、基礎的研究としては、すでにSLE患者30名程度のデータの蓄積ができており、介入を行う対象者の確保以外の面では、全て順調に進展することができている。
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今後の研究の推進方策 |
SLE患者さんは、比較的年齢も若く仕事をしている患者さんが多い。そのため、11.で述べたように介入については、時間的な制約などもかかるため参加者の募集が確保できない可能性が考えられる。しかし、このような大規模な介入研究としては、10名程度のデータが必要であるといわれているため、引き続き参加者の募集を行い10名程度のデータを集めることができるよう引き続き努力していく。そのためには、SLE患者だけではなく、そのほかの膠原病患者も参加対象者に含めることが必要であると考える。
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