研究課題/領域番号 |
22792215
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研究機関 | 群馬パース大学 |
研究代表者 |
中島 久美子 群馬パース大学, 保健科学部, 講師 (50334107)
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キーワード | 母性・女性看護学 / 夫婦関係 |
研究概要 |
本年度の計画は、妊娠期夫婦を対象に、妻の精神的健康および夫の関わりを検討することであった。 【目的】妊娠期の夫婦を対象に、妻の精神的健康を高める夫の関わりについて、妻と夫の認識から検討する。【対象】対象は県内A保健センターに来所した第1子妊娠期の夫婦とした。【方法】調査方法は無記名自記式質問紙調査により実施した。調査票は母子手帳交付時および母親学級・両親学級時に配布され、郵送法により回収された。調査内容は、「妊娠期の妻への夫の関わり満足感尺度」:妻への夫の関わりに対する妻の満足感ついて妻の認識を測定する「妻用の尺度」(初期17項目、中期21項目、末期24項目)と夫の認識を測定する「夫用の尺度」(初期17項目、中期20項目、末期17項目)とから構成される。尺度は5件法で得点が高いほど夫の関わりに対する満足感が高いことを示す。さらに、「夫婦関係満足度尺度(QMI)」「妻の精神的健康度(SUBI陽性感情)」および属性について調査した。 【結果】(1)夫婦174組に配布し、42組から回答が得られ、有効回答は夫婦共に回答の得られた41組(23.6%)であった。妊娠各期の平均週数の内訳は、初期10.0週、中期24.4週、末期30.4週であった。妻の平均年齢は30.3歳、夫32.0歳であった。 (2)「妊娠期の妻への夫の関わり満足感尺度」の尺度得点は「妻用の尺度」では初期47.2点、中期47.8点、末期66.3点であり、「夫用の尺度」では初期52.8点、中期57.5点、末期40.8点であった。 (3)「妻用の尺度」の尺度得点の平均値と「QMI」の高低群とのt検定の結果、妊娠末期の尺度得点とQMIの高低群との間に有意差が認められた。「妻用の尺度」の尺度得点と「SUBI陽性感情」との間には有意差が認められなかった。「夫用の尺度の」尺度得点の平均値と「QMI」の高低群との間には、妊娠中期および末期において、尺度得点とQMIの高低群との間に有意差が認められた。 【結論】「妊娠期の妻への夫の関わり満足感尺度」と夫婦関係満足度との関係性が確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
調査協力施設である保健センターの両親学級、マタニティーセミナーへの受講者が当初の見込みよりも少なく、調査を予定していた妊娠期の夫婦への調査依頼が遅れている。また、回収率が低いことも計画が遅れている要因の一つであると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は妊娠期から育児期の縦断的な調査により、その2時点の夫婦関係および妻への夫の関わりに対する妻の精神的健康について検討するものである。よって、第1次調査(妊娠期)の分析対象者が少ないと第2次調査(育児期)の分析対象者がさらに減るため分析が難しくなる。その対応策としては、妊娠期の夫婦への調査依頼数を増やし、妊娠期の調査時期の延長を最大限にのばし、対象者の確保をする対応策が必要である。
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