研究課題
【目的】本研究の目的は妊娠期及び産後1・2か月における夫婦関係満足度の変化と妊娠期の妻が満足と感じる夫の関わりに影響する要因を検討し、妊娠期から産後の夫婦の関係性への支援に役立てる資料を提供することである。【方法】妊娠期及び産後1・2か月の2時点で協力の得られた夫婦58組を対象に無記名自記式質問紙調査を実施した。妊娠期の調査内容は中島らの「妊娠期の妻への夫の関わり満足感尺度(「妻用尺度」と「夫用尺度」)」であり、個人的・社会的要因と「夫婦関係満足度尺度(QMI)」は、妊娠期及び産後に調査した。【結果】有効回答数は妊娠期及び産後の2時点で夫婦共に回答の得られた36組である。個人的・社会的要因については、妊娠中期の妻の認識では、勤労妊婦は主婦よりも(p<0.05)、また、核家族は拡大家族よりも(p<0.05)、夫の休日が週2日では週1日よりも(p<0.05)夫の関わりに対する妻の満足感が有意に高かった(p<0.05)。一方、夫の認識では、自然妊娠は不妊治療後よりも(p<0.05)、また、妻が勤労妊婦では主婦よりも(p<0.05)、夫の帰宅時間が21時前は21時以降よりも(p<0.05)夫自身の関わりに対して妻が満足しているだろうという夫の認識が有意に高かった。妊娠期の妻と夫の「QMI」の高低群と産後の「QMI」の高低群との間に有意差が認められた(妻p<0.05,夫p<0.05)。【結論】妊娠中期の妻が満足と感じる夫の関わりに影響する要因として、妻の認識には、妻の就労状況、家族構成、夫の休日、夫の認識には、妊娠の成立、妻の就労状況、夫の帰宅時間が確認された。夫婦共に妊娠期の「QMI」は、産後の「QMI」に影響すると考えられた。よって、妊娠期から産後の夫婦を支援するには、妻が満足と感じる夫の関わりに影響する要因に注目し、妊娠期から夫婦関係の満足度を高める必要性が示唆された。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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日本助産学会誌
巻: 27巻(1号)、 ページ: 2-14
Analysis of Multiparous couples' Perceptions of Husbands' Supportiveness for their Wives' Satisfaction during Pregnancy
巻: 63(1) ページ: 51-59
巻: 26巻(2号) ページ: 166-178