研究概要 |
平成22年度から開始している自記式質問紙(無記名、10分程度で回答)を用いた横断調査研究を引き続き行った。最終的に、A市内の乳児健診に訪れた母親、計1,223名に質問紙を配布し、975名から回答を得た(回収率79.7%)。その結果、添い寝は81.8%、添え乳は58.1%の母親が実施していると答えた。添い寝や添え乳を実施している感想からは、子どもと一緒にいられて安心、様子が分かる、自分の体が楽に感じる等の意見が多かった。しかし、ヒヤリハットの経験があるかとの問いには、添い寝10.7%、添え乳13.5%が「あり」と答えていた。また、添い寝や添え乳を教わったのは、9割以上が助産師であると答え、開始時期については出産後入院中から始めたと答えな母親が7割程度であった。新生児期は、呼吸・循環動態が未熟であること、少なからず分娩時の影響を受けでいる時期であるため、この時期から添い寝及び添え乳を開始することが新生児の生理学的指標にどのように影響を与えるのかを検討する必要が生じた。 以上より、新生児期における呼吸・循環動態、ならびに自律神経機能の変化について検討するために、現在研究計画書を作成中である。今後倫理審査を経て、今年度中にデータ収集ならびに分析を行っていく予定である。具体的な内容としては、日齢1の児に対して、呼吸循環動態(呼吸状態、心拍数、動脈血酸素飽和度)、自律神経機能が睡眠・覚醒状態、哺乳、体位、育児行動(抱っこ、おむつ交換)などとどのような関連性があるのかを検討する観察研究を行う。分析の際には、遷延分娩、羊水混濁等の分娩時の影響の有無で群に分けて行う。添い寝及び添え乳を実際に行っている際の母児の観察については、先に挙げた研究の結果をみて必要に応じて行っていくこととする。
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