本研究の目的は、本研究の目的は(1)成人女性と妊婦の姿勢(立位)の実態調査、(2)妊婦の姿勢とマイナートラブル・産科異常との関連を明らかにすることである。初年度にあたる平成22年度は成人女性の姿勢分析と筋力測定のための準備と実施に取り組んだ。科研採択後に浜松医科大学医の倫理委員会での承認を得た。その間に大学附属病院看護部長、病棟師長、外来師長、産婦人科教授、産婦人科准教授、整形外科医師、リハビリテーション科医師へ研究の説明と相談を行いながら、対象者への説明配布資料とアンケート用紙の作成、対象者リストの作成、調査に必要な消耗品の購入を行った。姿勢分析はBioTonix社製の姿勢評価システムであるBioPrintを使用した。BioPrintでは身体の32か所にシールマーカーを貼り、身体の前面、側面、背面の写真から身体の前後左右のゆがみやズレを数値化し表示した。BioTonix日本総代理店と測定環境を整え、シールマーカーを貼付する技術、測定方法、分析方法の研修をした。その後、成人女性5名の調査を行った。 これと並行して、姿勢維持に関わる腸腰筋、大殿筋、中殿筋の筋力を徒手筋力計で測定するために浜松医科大学リハビリテーション科理学療法士の指導の下で研修を行った。そして、妊婦1名の協力を得て平成23年度に実施する妊婦の筋力調査時の注意点や、妊婦の筋力測定時の体位の工夫を創案した。当初の研究計画では平成22年3月までに成人女性30名、妊婦10名の測定を実施する予定であったが、新たに徒手筋力計による測定を採用したため研究期間の延長を申請し承認された。 成人女性5名の調査結果を分析し、平成23年度に実施するアンケート修正、データ収集方法の修正を行った。今後、成人女性のデータ収集数を積み重ね、同時に妊娠前期・後期・産後1か月に同一女性を対象に同様の調査を実施予定である。
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