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2011 年度 実績報告書

NICUを退院した子どもとその家族への包括的支援に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22792222
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

白坂 真紀  滋賀医科大学, 医学部, 助教 (40378443)

キーワードNICU / 育児支援 / 父親 / 母親
研究概要

本研究の目的は、NICUを退院した子どもとその家族を支援する保健・福祉・教育の地域連携体制の構築である。具体的にはNICUを退院した子どもを養育する父親と母親の実情を明らかにし、支援の在り方を検討することである。とくに近年、NICUを退院しフォローを要する子どもの数は増加しており、支援の充実が求められている。平成23年度末までにNICUを退院した双子を養育する父親と母親10組20名を対象に、妊娠・出産、NICU入院から退院、現在の育児についてインタビュー調査を行い、父親と母親の立場を比較し、育児支援の在り方を考察した。データ収集と分析は、半構成的面接より逐語録を作成し質的記述的方法を用いて、父親と母親それぞれの内容について検討した。結果、父親は「双子それぞれの個性を尊重」、「双子育児の大変さを実感し夫婦で共にする子育て」、「母親と双子の心配事を受容」、「双子が元気で生きていることの感謝」、「病院で適切なケアを受ける安心感」など10カテゴリー、母親は「早産でNICUに入院した双子の健康と発育への懸念」、「双子を平等に養育することへの責任感」、「夫の協力を実感する双子育児」、「夫との価値観の違いを認識」、「双子の生命力に感謝」など10カテゴリーが抽出された。父親は双子それぞれの個性を生かそうとする育児を実践し、できるだけ母親の育児をサポートしようとする立場を遂行し、母親は双子を平等に育てること、同時に二人養育することに対する責任感を強く持ち、夫との価値観の違いを意識しながらも協力を求めていた。しかし、母親も父親も、双子の健康や発育に懸念を示しながらもその生命力に感謝し、夫婦共に子育てしようとする姿勢がみられていた。小児虐待の増加や育児不安など子育てにまつわる諸問題は現代日本社会の喫緊の課題である中、子どもの健やかな発育を目指す子育てには、母親だけではなく父親の役割が重要視されている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

インタビュー調査および分析に関して、予定以上に時間を要したため。

今後の研究の推進方策

最終年度では、これまでに行った質的研究の調査(A病院NICUを退院し外来でフォーローアップ検診を受診している双子の母親と父親10組20名へのインタビュー調査)の結果をもとに、引き続き、NICUを退院した子どもの父親と母親へ量的調査を行う予定である。調査内容は、NICUを退院した子どもの養育者の実情を明らかにできるよう、「子育て中の困難」や「医療や看護についての意見や要望」、「地域での育児生活においての現状や要望」等を予定している。さらに、子育て支援体制の整備に向けて準備中である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] NICUを退院した子どもとその家族への包括的支援に関する研究-双子を養育する父親の置かれた状況と気持ちや行動-2011

    • 著者名/発表者名
      白坂真紀
    • 学会等名
      日本小児看護学会第21回学術集会
    • 発表場所
      埼玉会館(さいたま市)
    • 年月日
      2011-07-23

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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