研究課題/領域番号 |
22792232
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
仲道 由紀 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00437790)
|
キーワード | 祖父母 / 中期親子関係 / 家族看護 |
研究概要 |
今年度は、祖父母になる過程における「祖父母の心理的発達」の変化と成人した子と親(祖父母)との関係を検討するために昨年度から検討してきた分析枠組みを基に予備調査を祖父母に行った。しかし、予備調査で使用した「祖父母となることの発達」尺度の構成因子(下位尺度)「社会・文化的関心の拡大」「世代間の親和」「精神的柔和・安定」「未来継承性・自己存在感の確認」「配偶者との親和」「衰えの実感」だけでは、はじめて孫を持ち、祖父母になる過程の前後の変化を全て明らかにできない可能性があることが明らかとなった。壮年期~老年期世代の高齢者にとっては、様々な心身の変化や社会環境の変化が訪れ、それらに適応しながら、さらに豊かな老年期を送ることを希望する。このような社会文化的生活におけるWell-Beingには、個人の加齢パターンや社会的活動と人生に対する満足度の関係などが影響し、従ってそれらを質問項目に追加する必要があることが示唆された。また、成人した子と親(祖父母)との中期親子関係においては、「母親-娘」間の親密な関係だけでなく、「父親-息子」関係が見出され、また、孫の親の就労・家族形態が「一人親家庭」の場合、親子関係満足度は低く、そこには媒介する孫とのかかわり方の影響が示唆された。 次年度は、これらの項目を追加し、縦断調査を行う予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予定では、予備調査後に本調査に入る予定であったが、予備調査に使用した尺度だけでは、本研究の中心となる概念である「祖父母の心理的発達」の様相を明らかにできない可能性があることが判明したため、母子看護の専門家にスーパーバイズを受けたところ、研究内容と方法を見直す必要性が生じたため、時間をかけて再検討を行い、当初の予定より遅延した。
|
今後の研究の推進方策 |
今後、今年度の「祖父母の心理的発達」の調査項目および中期親子関係の検討結果を踏まえて、妊娠後期の妊婦とその実父母に対し、家族機能と祖父母の心理的発達に関する項目を調査し、その後、出産後4ヶ月時点で再度調査を行い、養育期初期の家族機能と祖父母の心理的発達の関連を縦断的に明らかにする予定である。
|