研究概要 |
研究目的:早産児の子どもをもつ父親が子どもの誕生後1週間での体験と思いおよび看護師による介入がもたらした効果について明らかたすることを目的とした。 研究方法:生後1か月の時点で子どもの状態が安定している,日本人同士のカップルである早産児の父親に対しインタビューを実施し,子どもの誕生後1週間での体験と子どもへの思いおよび看護師による介入がもたらした効果のデータを継続比較分析した。 結果・考察:同意の得られた12名の父親からインタビューを行った。子どもの在胎週数の平均は,28.68(±1.99)週であり,出生体重の平均は1206.31(±338.69)gであった。父親は,子どもの誕生に対し,生きて誕生したことを喜ぶと共に,入院していた妻の身体的負担が軽減されるため【子どもが誕生したことによる安心】をしていた。一方で,現在行われている治療や体重減少が,今後の発達へ影響を及ぼすか否かに加え,早産児の発達に関する情報不足より【発達の不確かさ】として,漠然と、した将来への不安を感じていた。面会時,父親は子どもと共に過ごす【親としての時間】を通して,日々変化する子どもの動きや反応を看護師と共に確認することで,子どもの理解へと繋がっていた。また,自宅では妻の搾乳に同席し,子どもを思い浮かべながら夫婦で話をする【親としての時間】を楽しみにしていた。看護師は,子どもの一つ一つの動きや反応の意味づけを行い,父親が少しずつ子どもを理解する支援に加え,これまで母親を対象としていた母乳支援を父親も含めて行うことで,両親で【親としての時間】を楽しみ,子どもとの関係を築ける支援に繋がる可能性が示唆された。
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