研究概要 |
本研究は、要支援前期高齢女性の社会活動の実態を測定し、社会活動に着目した介護予防ケアに寄与する、要支援前期高齢女性の社会活動尺度を開発することを目的とする。平成23年度は、要支援前期高齢女性の社会活動尺度を作成するため、要支援認定を受け予防給付を受けている65歳以上の女性(以下、要支援高齢女性とする)を対象に調査を実施した。また、本データを用いて要支援高齢女性の社会活動の実態も把握した。 A県B二次医療圏の6市町村に在住する110名の要支援高齢女性を対象に調査を実施した。調査項目は日本の高齢者の社会活動に関する概念分析の結果(平野,2011)、および要支援にある独居の前期高齢女性の社会活動の特徴(平野ら,2011)等をもとに作成した成した。調査は個別面接の聞き取りによる無記名質問紙調査とし、調査者はケアマネジャー、研究者、研究補助員のいずれかとした。要支援前期高齢女性の社会活動尺度開発の分析は項目分析と因子分析を行い、要支援高齢女性の社会活動の実態は主成分分析等により把握した。 結果、要支援前期高齢女性の社会活動尺度は「気遣いを通した周囲との交流」「専門職への相談行動」等の下位尺度から構成された。また、要支援高齢女性の社会活動の実態は、周囲の人たちへの心配りやもてなしの心を持ったつきあい等であった。 要支援高齢女性の社会活動は一般高齢者の活動とは異なり、健康時の社会活動から形をかえて実施していることが示唆された。要支援前期高齢女性の社会活動尺度の精度を高めるため、今後は信頼性、妥当性、有用性のさらなる検証が必要である。
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