要支援認定を受けた高齢女性(以下、要支援高齢女性とする)の社会活動の実態を測定できる要支援高齢女性の社会活動尺度を開発することを目的とした。対象は、A県B地域二次医療圏3市町に在住する要支援高齢女性200名とした。また、要介護認定を受けず自立して生活している高齢女性(以下、一般高齢女性とする)と要支援高齢女性の本尺度の得点を比較するため、老人クラブ、高齢者サロン等に参加する一般高齢女性200名を対象とした。調査方法は、要支援高齢女性は留め置き法による無記名自記式質問紙調査、一般高齢女性は集合調査による無記名き自記式質問紙調査とした。 分析方法は、尺度の構成概念妥当性の検討には探索的因子分析を用い、尺度の信頼性の確認にはクロンバックα係数による内的整合性を用いた。 要支援高齢女性のデータを用いた探索的因子分析の結果、要支援高齢女性の社会活動尺度は3因子15項目で構成された。第1因子は身近な場で行われる家族や友人、近所の人との交流と解釈され、第2因子は家庭内で行われる活動を通じた社会との直接または間接的なかかわりと解釈された。また、第3因子は外来受診や介護予防サービス利用時に保健医療福祉専門職との間で行われる交流と解釈された。本尺度のクロンバックα係数は0.86であり、内的整合性が確認された。 要支援高齢女性と一般高齢女性の本尺度得点をMann-Whitney U 検定で比較した結果、要支援高齢女性は一般高齢女性に比べ、第1因子と第2因子が有意に低く、第3因子が有意に高かった。なお、尺度の合計得点には有意な差が認められなかった。
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