本研究では、訪問看護ステーションのサービス供給の実態およびその関連要因を明らかにすることを目的とし、2つのタイプの研究を実施した。まず、訪問看護ステーションの看護職員の離職意向および職務満足度の関連要因を明らかにした。多変量解析の結果、離職意向ありと関連していたのは、職務満足度が低いこと、訪問看護師の経験年数が短いことであった。高い職務満足度と関連していたのは、勤務に関する希望がかなえられている割合が高いことであった。次に、公表全国調査データを用い、看護職員常勤換算1人あたりの訪問看護利用者数の関連要因を明らかにした。看護職員常勤換算1人あたりの利用者数は中央値9.8人(四分位:6.6-13.5)。病院、介護老人保健施設等の医療提供施設に併設、居宅介護支援事業所併設、訪問介護事業所に非併設、理学療法士/作業療法士を配置、事務職員を配置、管理者が他業務と兼務、日曜日・祝日の営業を行っていない、24時間電話連絡対応・緊急訪問対応あり、終末期ケア実施は、看護職員常勤換算1人あたりの利用者数が多かった。
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