訪問看護師が利用者から受ける暴力の実態を明らかにすることを目的として、(1)近畿圏内(京部府、大阪府、滋賀県、奈良県、和歌山県、兵庫県)の精神科病院に設立された訪問看護ステーションに所属する精神科訪問看護師225名にアンケート調査を実施した。その結果、99部の回答を得て(回収率37.8%)、うち95部を有効回答(有効回答率96%)として集計した。 ◆精神科訪問看護師が受ける暴力の実態 「身体的暴力を受けた経験がある」と回答した訪問看護師は18名(19%)、「言語的暴力を受けた経験がある」は35名(37%)、「性的暴力を受けた経験がある」は14名(15%)、「脅迫・威嚇行為を受けた経験がある」は19名(20%)、「器物破損を目の当たりにした経験がある」は10名(11%)であった。 「この1年間に暴力を受けた経験がある」と回答した訪問看護師は、「身体的暴力」は4名(4%)、「言語的暴力」は25名(26.3%)、「性的暴力」は10名(10.5%)、「脅迫・威嚇行為」は13名(13.7%)、「器物破損」は4名(4%)であった。 (2)近畿圏内の一般の訪問看護ステーションのうち、精神科および精神科以外の利用者に訪問するステーションに所属する訪問看護師648名、にアンケート調査を実施した。その結果、186部の回答を得て(回収率:28.7%)、うち176部を有効回答(有効回答率:94%)として集計した。 ◆精神科の利用者から一般の訪問看護師が受ける暴力の実態 「身体的暴力け受けた経験がある」と回答した訪問看護師は41名(23%)、「言語的暴力を受けた経験がある」は51名(29%)、「性的暴力を受けた経験がある」は23名(13%)、「脅迫・威嚇行為を受けた経験がある」は26名(16%)、「器物破損を目の当たりにした経験がある」は16名(9%)であった。 「この1年間に精神科の利用者から暴力を受けた経験がある」と回答した訪問看護師は、「身体的暴力」は29名(16%)、「言語的暴力」は39名(22%)、「性的暴力」は15名(8%)、「脅迫・威嚇行為」は16名(9%)、「器物破損」は9名(15%)であった。
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