高齢者の自律性と関連要因の探索、施設高齢者の自律性に影響を与える要因について検討するため、医学関連データベース(Cochrane Library、MEDLINE、CHINAL、医中誌)により、キーワード「autonomy」「resident autonomy」「long-term care」「assisted living」「nursing home」「organizational culture」「自律性」「高齢者施設」等を用いて検索を行い、高齢者の療養場所別に自律性に関連する要因を明らかにし、施設高齢者の自律性に関する概念枠組みについて検討を行った。これに基づき自律性の要素となる項目プールの作成を行い、概念枠組みに基づいた項目選定を行った。設問の回答方法について評定法とスコア化の検討し、選択された項目の配置の検討、教示文とフェイスシートの作成を行った。施設高齢者の自律性評価尺度の基準関連妥当性を検討するため、先行研究において関連が指摘されていたPGCモラール・スケール(Phitadelphia Geriatric Center Morale Scale)を、また高齢者の自律性に関連する要因として日常生活動作Barthel Indexを含めて検討を行った。 所属機関の医の倫理の承認を得て、パイロットテストとして高齢者施設(介護老人福祉施設、介護老人施設を検討)の入所者を対象(5~10名程度)に完成した自律性尺度を用いて、研究者又は施設職員が尺度への回答を求めた。これらにより、質問文のわかりにくい部分について意見を聞き、修正を行った後、30項目からなる暫定版尺度を用いて施設高齢者(N=200;介護老人福祉施設n=100、介護老人保健施設n=100)を対象に質問紙票を配布し、データ収集を行っているところである。
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