近年、介護老人保健施設(以下、老健と示す)でも終末期を迎える入所者が増加している。しかし終末期ケアの判断基準とケアの方針が未確立であることが指摘されており、終末期ケアの内容は施設の裁量によるところが大きいという現状がある。そこで老健における終末期ケアの質を保証するためにも、終末期ケアの質を評価する指標が必要であると考えた。その第1段階として文献検討から作成した老健における終末期ケアの質評価指標案の適切性および重要性について検討した。 1.調査方法は文献検討から作成した老健における高齢者の終末期ケアの質評価指標案について、デルファイ法による質問紙調査で指標を修正・洗練した。2.デルファイ法のパネルのメンバーは老人看護専門看護師22名および終末期ケアについて学会や雑誌等で発表している老健の看護管理者23名とした。3.質問内容は文献検討から作成した指標の適切性および重要性について指標別に5段階(1=あまり適切/重要でない、2=どちらかと言えば適切/重要でない、3=やや適切/重要である、4=適切/重要である、5=非常に適切/重要である)で評価を依頼し、指標内容の過不足等を自由記述で求めた。その結果、多くのの指標項目の適切性および重要性が高く評価された。しかしCNSと老健看護管理者を比較すると、老健看護管理者の方が低く評価した項目が多かったため、実施可能性は低い可能性が示唆された。今後、老健の一般スタッフを対象とした調査で実施可能性を検討することが課題である。
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