今年度は、まず、「精神看護」、「暴力」をキーワードに国内、海外の文献検討を行い、インタビューガイドを作成した。次に倫理審査を福岡県立大学研究倫理委員会に申請した。研究倫理委員会の承認後、F県内の自助グループに研究協力を依頼した。研究対象者の選択については、自助グループが行われる日に研修を行い、その人がどのような人なのかを把握したり、また、研究者に研究対象候補者が慣れてもらったところで、研究協力をお願いした。現在のところ3名の精神疾患を持つ患者を対象として、半構成的面接調査を行った。時間は、1人1時間程度であった。面接調査では、患者から看護師への暴力を防ぐために必要なことを中心に語ってもらった。調査の場所は、個室で行い、承諾が得られた場合、ICレコーダーに録音した。分析については、逐語録におこし、データを切片化し、サブカテゴリー名をつけた。3名の対象者の語りより、患者から看護師への暴力を防止するために必要なこととしては、<患者と看護師が一緒に暴力について話し合う体制作り>、<相手の気持ちを理解する>、<暴力では何も解決にならないことの認識>、<他の患者の力を借りる>が明らかになった。今後は、さらに精神疾患を持つ患者の研究対象者数を増やし、質的に分析を進めることと精神科病院で勤務する看護師を対象として、患者から看護師への暴力を防止するために必要なプログラムの内容について、面接調査を行っていきたい。
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